「子どものゲームは禁止」「スマホ禁止」という声は多いですが、本当にそれが正しいのでしょうか?今回は、大人が「正しい」と信じている価値観を疑い、本当にそうなのか考えてみたいと思います。
ゲーム禁止にする理由は?
まず、「ゲーム禁止」「スマホ禁止」にしたい理由は何でしょうか?多くの場合、「勉強が大切だから」という理由が挙げられますよね。確かに学業は重要ですが、ただ単に「ダメ!」と言うだけでは子どもは納得しません。
親がまずやるべきことは、なぜゲームやスマホが良くないのか、その理由を自分で整理し、言葉にして子どもに伝えることです。そうでなければ、禁止された理由がわからず、反発や隠れて使うことにつながってしまいます。コソコソ隠れて使うことで目が悪くなるなど、逆効果になることもあります。
勉強して「いい職」についてほしい
親としては、子どもに「いい職」に就いてほしいと思うのは当然です。昔は「医者」や「公務員」が安定の象徴でしたが、今は社会の仕組みや働き方、職業自体が大きく変わっています。
たとえばIT業界のエンジニアは、年収1000万円から数千万円を超えることも珍しくありません。知り合いのフェ◯◯◯ックのエンジニアは、転職してすぐで月収12000ポンド(約230万円)をもらっていると聞きました。ゲームやアプリ開発は、パソコン1台あれば場所を問わず働け、完全リモートやハイブリッド勤務も可能な高収入な職業です。
子育てで仕事を辞めたり、保育園に預けなければならなかったりする女性にとっても、この職業は強みになるのではないかなと思います。まだ男性の割合が多い仕事ですが、子育て中でも抱っこしながら仕事をしたり、子どもが隣で寝ている横で作業したりできる環境は、今後さらに人気が高まってもいい職業のひとつだと思います。
こうした新しい仕事の可能性を理解しないまま、「ゲームやスマホは悪」として禁止してしまうと、子どもの未来の選択肢を狭めてしまうかもしれませんね。
禁止することのデメリット
ゲームやスマホを禁止すると、逆にやりたくなる心理が働き、禁止解除後に使いすぎてしまうこともあります。また、親に隠れてこっそり遊んだり、嘘をつくことが増えるかもしれません。こうしたことは親子の信頼関係を損なう原因にもなります。
そこで、禁止ではなく、
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時間ルールを決める
1日何分、何時間、週末だけと使う時間を決め、メリハリをつける。 -
ゲームの内容を選ぶ
暴力的すぎないものや教育的な要素を含むゲームを選ぶ。 -
ご褒美として活用する
勉強や家の手伝いをした後の楽しみとして使い、モチベーションアップに。
こうした工夫で、ゲームやスマホと上手に付き合う力を育てられます。
将来の可能性を広げるために
子どもがゲームやスマホ、パソコンに触れる機会を奪うことは、将来の可能性を閉ざしてしまうことにもなりかねません。必ずしも「ゲームやスマホ=IT業界の仕事に直結」するわけではありませんが、少なくとも興味を持つ可能性は0ではありません。
実際、ゲームやスマホが好きな子どもが、それをきっかけにITエンジニアやクリエイターを目指すこともあります。全く触れない子どもが突然「ゲームを作りたい」「アプリを開発したい」「アプリのデザイナーになりたい」と思うのは稀です。興味や経験がなければ、高校や大学でその道を選ぶこともないでしょう。
夫の幼少期
私の夫は、親があまり細かく管理しなかったため、小さい頃から自由にゲームやパソコンを使っていました。中学・高校の頃には、ホームページ作成やゲーム制作を遊び感覚で楽しんでいたそうです。
こうした環境が、今のエンジニアとしての土台になったのだと思います。遊びの中で自然とクリエイティブなスキルを身につけ、ゲーム依存症にもならずに育ちました。現在も家で働けるのは、このエンジニアという仕事のおかげです。
ゲームと暴力の関係について
よく「ゲームをすると暴力的になる」と言われますが、「戦いのゲームをする=犯罪者になる」わけではありません。戦争はゲームがなかった時代からありますし、ゲームだけが暴力の原因とは言えません。
影響を受ける人もいるかもしれませんが、それはゲームに限ったことではありません。テレビやファッション、音楽など、世の中は良くも悪くも様々な影響を受けて成り立っています。
まとめ
ゲームは上手に付き合えば、子どもの成長やスキルアップの助けになります。私の夫のように、ゲーム好きだった経験が今の仕事につながることもあるかもしれません。ゲームをただ禁止するのではなく、子どもと話し合いながら適切なルールを作り、楽しく成長できる環境を整えていくことが一番いいのかなと思います。