「物が少ない暮らしって、本当にできるの?」
「ミニマリストって何を手放して、何を残してるの?」
そんな疑問を持つ方に、スーツケース4つで暮らす私の実体験からお話ししたいと思います。これまで国内外で何度も引っ越しをしてきた中で、自然と物が減っていき、気づけば「必要な物だけに囲まれた生活」に落ち着いていました。
ミニマリズムはただの流行ではなく、自分の本質と向き合う生き方。今回は、ミニマリストとしての暮らしの魅力や具体的な方法、日用品やキッチン周りの持ち物など、リアルな情報をたっぷりご紹介します。
引っ越しの達人がたどり着いた「軽やかな暮らし」
私はこれまで親元を離れてから、フランス国内で5回、日本では11回の引っ越しを経験してきました。引っ越しは体力も気力も使います。ですが、物が少ないだけで、荷造りも搬出も圧倒的に楽になります。
実際、スーツケース4つに収まる程度の物で生活するようになってから、引っ越し当日も引越し業者不要。新居に移ってからもすぐに生活が始められるようになり、精神的にもとても楽になりました。
ミニマリスト生活を始める前に大切なマインドセット
「物を減らす」ことの本当の意味
ミニマリズムは単なる“物を捨てる”行為ではありません。それは「自分にとって必要なもの・大切なものを見極める」力を育てることでもあります。
物が多すぎると、探し物が増え、掃除は面倒になり、気づけば心も散らかっていきます。反対に、物を減らすと暮らしはシンプルになり、余白が生まれます。
心の整理にもつながる
断捨離のプロセスは、まさに「自分との対話」。
「これは私の人生に本当に必要か?」
「これがなくなったら困る?それとも、ただ“捨てられない”だけ?」
こんな風に考えるうちに、自分の価値観が少しずつクリアになっていきます。
ミニマリズムを始めるための断捨離ステップ
① 全ての物を一度出してみる
家中の持ち物を一度すべて出してみましょう。床に並べて視覚化すると、「私、こんなに持ってたの⁉」と驚くはず。持っている物を自分の目で把握することで、選別の基準がはっきりします。
② 「最近使ったか?」を判断軸に
私の場合1年間使っていない物は、思い切って手放します。あとは、持っていたことすら覚えていなかった物も。思い切って手放すと、驚くほど生活が軽くなります。フリマアプリで売るのもよし、欲しい人に譲るのも◎。
③ 思い出は、心の声で選ぶ
「高かったから」
「思い出があるから」
この理由で手放せない物も多いですが、それが「今の自分」に必要かどうかで考えてみてください。ただし、心の支えになる物(私の場合は亡くなった愛猫のグッズなど)は、無理に手放す必要はありません。
最小限でも快適な生活ってどんな感じ?
新しいものを買う前に、立ち止まってみる
ミニマリスト生活では、物を「増やさない」ことも大切な習慣のひとつ。
新しいものを見つけたとき、すぐに飛びつくのではなく、
-
本当に必要?
-
代わりになるものはすでに持ってない?
-
長く使える?実用性は?
-
それがなくても困らないかも?
と、少しだけ立ち止まって考えてみるクセをつけましょう。
この小さな“ひと呼吸”が、衝動買いや後悔のない選択につながります。
物を持つ意味を見直すと、暮らしが変わる
物が多ければ安心…という感覚は、多くの人が持っています。でも実際は、物が少ないからこそ、心にも余裕ができることが多いです。本当に必要なものだけに囲まれると、毎日の選択がシンプルになり、掃除や片付けもストレスが減ります。「快適さ」は物の量ではなく、持ち物との関係性で生まれるものなのかもしれません。
引っ越し後に買ったものは、ほとんどない
新居で新しく買い足したのは、家具付き物件でなかった場合に限り、キッチンテーブルと椅子・マットレス・キャットタワー程度。その他は、スーツケース4つで運んだ物だけで十分でした。今回は、夫の会社が在宅オフィスの経費を全て出してくれるため、デスクなどのオフィスセットは購入しました。
キッチン用品はこれだけでOK
私のキッチンには、以下のアイテムだけで十分で、こちら全て日本で使っていたものを、そのままフランス、スイスでも使っています。
-
鉄フライパン(焦げづらく長持ち)
-
圧力鍋(炊飯・豆・スープすべてOK)
-
ブリタの浄水器
-
ケトル
-
カトラリー(スプーン・フォーク 各1)
- まな板
-
ミニ包丁・ピーラー・じゃがいも潰し
-
ステンレスボウル×2
-
カップ×2
- 場所を取らない水切り
特に圧力鍋はマストアイテム。一台で何役もこなすので、これがあるだけで料理の幅が一気に広がります。
このまな板水がこぼれないので次買いたいと思っている商品!
日用品もシンプルに
パソコンやマイクなど、仕事に必要な道具だけは質の良いものを使っていますが、それ以外は極力シンプルに。
掃除は、取り外し可能なモップとちりとりのみ。掃除機は手放しました。猫の毛もすぐ溜まりますが、このセットでさっと掃除できます。モップはコンパクトに分解できて、引っ越し時も便利です。
また、修理用ドライバーセットとミニ裁縫道具は常備。壊れたおもちゃや服を自分で修理すれば、買い替えの必要がなくなり、環境にもお財布にも優しい暮らしができます。
猫と暮らすミニマリスト生活
ペット用品も必要最低限に。愛猫のトイレはステンレス製で、掃除がしやすく、臭いもこもりにくく、移動もしやすい優れもの。おもちゃは増やしすぎず、壊れたら直して使うスタイル。愛猫にとっても、飼い主にとっても心地よい暮らしです。
またペットによってはケーブルを噛むのが好きな子がいます。その場合、おすすめなのが配線カバーを使うこと。こちらならケーブルを保護することができます。ケーブルを何度も買い直すほど馬鹿らしいことはないので、こちら使用しています。
書類管理はデジタルと紙のバランスを
国をまたぐ引っ越しが多いので、必要な書類はしっかり分類して保管。デジタル化のものでいい場合は、デジタルで保管。これで、物理的なかさばりも防げて、いつでも必要な書類にアクセスできます。
まとめ
ミニマリスト生活は、「物を減らすこと」が目的ではありません。本当に大切なのは、「自分にとって必要なものを選び取る力」。物に振り回されず、自分らしい暮らしをつくる。その過程で、自然と身軽になり、心も整っていくのです。
ミニマリストは、不便どころか、豊かで自由。「少ないって、心地いい。」そんな風に思える暮らしを、ぜひ一度体験してみてください。