フランス文学の名作をまとめてみました。フランス語学科の方、フランス文学に興味がある方、よかったら参考にしてみてください。
ラファイエット夫人(Madame de La Fayette)
ラファイエット夫人(1634年3月18日(洗礼日) – 1693年5月25日)は、フランスの女流作家。
クレーヴの奥方(La Princesse de Clèves)
フランス宮廷に現れた美しい女性は、クレーヴ公の求婚に応じ、人妻となりました。しかし、舞踏会で輝く貴公子と出会い、初めての恋心が芽生えます。夫への敬愛と恋心に悩む夫人は、その葛藤に耐え切れず、なんとその恋心を夫に告白してしまうのです。
アレクサンドル・デュマ(Alexandre Dumas)
アレクサンドル・デュマ(1802年7月24日 – 1870年12月5日)は19世紀フランスの小説家、劇作家でした。
三銃士(Les Trois Mousquetaires)
「三銃士」は、フランスの片田舎ガスコーニュ出身の立身出世を夢見る若者ダルタニャンが、銃士になるためにパリに出てきて、銃士隊で名を馳せるアトス、ポルトス、アラミスの三銃士と協力しながら、様々な困難に立ち向かっていく物語です。
ヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)
ヴィクトル=マリー・ユーゴー(1802年2月26日 – 1885年5月22日)はフランスのロマン主義の詩人、小説家であり、七月王政から第二共和政の政治家でもありました。少年時代から文学者を志し、ロマン詩人の中心的存在となる。政治にも関心を寄せ、ナポレオン3世のクーデターに反対して亡命生活を送りながら『静観詩集』や大作の『レ・ミゼラブル』を完成させた。彼の死は国葬で迎えられました。
レ・ミゼラブル(Les Misérables)
主人公:貧しい職人ジャン・バルジャン
『レ・ミゼラブル』は、貧しい職人ジャン・バルジャンは、飢えに泣く姉の子供たちを救おうとしてパンを盗んだことから、19年間の投獄生活が始まります。物語は1815年から1833年までの18年間を舞台にし、ナポレオン1世の没落から復古王政、七月革命、そしてその後の7月王政時代の中で展開されます。作中ではフランスの社会情勢や民衆の生活も詳細に描かれています。
ノートルダム・ド・パリ(Notre-Dame de Paris)
主人公:鐘つき男カジモド
ドロドロした人間関係の物語。15世紀の荒れたパリが舞台の物語。ノートルダム大聖堂の前に捨てられた醜い赤ん坊、カジモドは助祭長のフロロに拾われ、ノートルダムの鐘つきとなる。フロロは美しいジプシーの踊り子エスメラルダに心を奪われ、カジモドを使って彼女を誘拐しようとする。結末には悲劇が繰り広げられる物語。
エクトール・アンリ・マロ(Hector Henri Malot)
エクトール・アンリ・マロ(Hector Henri Malot)はフランスの小説家で、1830年5月20日にラ・ブイユで生まれました。パリで劇作家としての成功を目指しましたが、小説家としての道を選び、生涯で60以上の長編小説を執筆しました。代表作には『家なき子』(Sans famille, 1878年)があり、これは児童文学の古典として広く知られています。
家なき子(Sans famille)
『家なき子』は、フランスの作家エクトール・アンリ・マロが1878年に発表した児童文学作品であり、オリバー・トゥイストに似た孤児の物語です。物語は少年レミが旅芸人のおじいさんに引き取られ、様々な場所を旅しながら多くの人々との出会いを通して成長していく様子を描いた教養小説です。
ギ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant)
フランスの自然主義の文学者であり、小説家、劇作家、詩人でもある。彼は人間の愚かさやみじめさを描いた短編作品で知られており、多くの秀作を残している。1850年8月5日に生まれ、1893年7月6日に亡くなった。人間の欲望や社会の側面を深く描写しています。
マドモアゼル・フィフィ(Mademoiselle Fifi)
主人公:プロイセン軍の若い将校であるヴィルヘルム少尉
プロイセンの将校たちとフランスの抵抗者たちとの対立を描いた短編小説で、モーパッサンの中でも有名な作品の一つです。「フィフィ」は娼婦ではなく、プロイセン軍のヴィルヘルム少尉のあだ名です。彼は小柄で金髪、見た目は優男だが非情に暴力的。口癖の「フィ、フィ」はフランス語の「ウイ、ウイ」のドイツ訛りで、同僚から「マドモアゼル・フィフィ」と呼ばれています。
女の一生(Une vie)
主人公:少女ジャンヌ
修道院で教育を受けたジャンヌは結婚生活に幸福を見出すが、夫の冷酷な振る舞いや裏切り、息子からの裏切りにより、彼女の人生は絶望と苦闘に満ちたものとなる。この作品は、希望と絶望、夢の破れゆく悲劇的な女性の人生を描いたフランス・リアリズム文学の傑作。
主人公:名前なし
「オルラ」は日記、主人公の名前は特定されていません。ギ・ド・モーパッサンは、この物語で主人公に特定の名前を与えず、物語の中で語り手が自身の経験を語る日記タイプの物語。物語では、主人公が目に見えない何かに遭遇し、それが未知の生命体であると結論づける過程が描かれます。語り手はこの未知の存在に「オルラ」という名前を与えます。
脂肪の塊(Boule de Suif )
主人公:エリザベス・ルーセ(あだ名:脂肪の塊)
「脂肪の塊」は、普仏戦争時にプロシア軍を避けて町を出た馬車に様々な社会階層の旅行者が乗り合わせる。その中には「脂肪の塊」と呼ばれる娼婦もいた。プロシアの将校が彼女を要求し、断ると馬車の出発を阻む。最初は仲間たちが彼女を擁護するが、状況が変わり…。物語は人間のエゴイズムと葛藤を描く。最後に国家が歌われる。
ベラミ(Bel Ami)
主人公:デュロワ
社会的な上昇を求める主人公の冒険を描いた小説で、モーパッサンの長編小説の一つです。こちらは映画にもなっています。青年デュロワが誠意や愛情を欠いたまま、女性たちを誘惑し、その犠牲になった女性たちを踏み台にして成功を収める様子を描いています。物語は、弱肉強食の社会で虚偽が誠実を打ち負かす様子を描いています。
首飾り(La Parure)
主人公:マティルド・ロワゼル
マティルド・ロワゼルは贅沢な生活に憧れながらも、貧しい小役人と結婚します。夫が大臣主催のパーティーに誘われ、美しいダイヤの首かざりを借り、一夜の輝きを楽しむものの、首かざりを失くし多額の借金を抱えることになります。10年かかって借金を返済し、以前の美貌を失いつつも、苦しい生活の中で幸福な思い出を持ち続けます。再会した友人に驚く事実を知り、物語は幕を閉じます。
シャルロット・ギャブリエル・コレット(Colette)
シドニー=ガブリエル・コレットは1873年1月28日から1954年8月3日まで活動したフランスの作家で、「コレット」のペンネームで知られています。彼女は「性の解放」を訴え、同性愛も含む著名な恋愛歴を持っています。
代表作には『ジジ』(1944年)があり、これは後にブロードウェイで舞台化され、1958年にモーリス・シュヴァリエ主演で映画化もされました。ロードウェイ版の『ジジ』のオーディションにおいて、自らがオードリー・ヘプバーンを主演に抜擢したことでも有名です。
青い麦(Le Blé en herbe)
主人公:フィリップ
夏のヴァカンスにブルターニュの海岸を訪れる少年フィル。毎年のように訪れる幼なじみのフィリップとヴァンカだが、今年は異性としての意識が芽生え、関係が緊張している。そこに現れた美しい中年女性が、二人の間に新たな影を投げかけ、青春の心の揺れが描かれる。
シェリ(Chéri)
主人公:レア
成熟した女性と若い恋人の感情豊かで複雑な関係を描いています。五十歳を迎える元高級娼婦レアが、薔薇色のレースで飾られた寝室で美しい青年との恋に心を奪われる。彼女は姿見に映る青年を見つめ、親子ほど年の離れたシェリ(いとしい人)との情熱的な愛が描かれている。
サン=テグジュペリ(Saint-Exupéry)
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900年6月29日 – 推定1944年7月31日)は、フランスの小説家であり、飛行家としても知られています。主に郵便輸送のパイロットとして活動し、欧州-南米間の飛行航路の開拓にも貢献しました。彼の作品は豊かな想像力と人間の本質への深い洞察で知られ、特に『星の王子さま』は世界中で愛されています。彼はサンテックスという愛称で親しまれています。
星の王子さま
主人公:サン=テグジュペリと言われています。
「星の王子さま」は、砂漠で不時着したパイロットが星の王子さまと出会う物語です。星の王子さまは小さな小惑星からやってきた存在で、彼が織り成す不思議な冒険が綴られます。彼はさまざまな星やその住人たちに出会い、地球にやってきた理由や人間の心について深い洞察を示します。星の王子さまの言葉や哲学は、純粋さや友情、大人たちの行動に対する深い考察を読者に贈ります。
アルベール・カミュ(Albert Camus)
アルベール・カミュ(1913年11月7日 – 1960年1月4日)は第二次世界大戦中に刊行された小説『異邦人』やエッセイ『シーシュポスの神話』などで「不条理」の哲学を打ち出し、戦後にはレジスタンスにおける戦闘的なジャーナリストとして活動。劇作家としても作品を上演し、『カリギュラ』や『誤解』を発表。戦後の小説『ペスト』はベストセラーとなり、エッセイ『反抗的人間』では左翼全体主義を批判し、注目を浴びた。1957年には史上2番目の若さでノーベル文学賞を受賞した。
異邦人(L’Étranger)
主人公:ムルソー
これが名作なのか?と思ってしまうほどダークな内容。死に関連する話も多いので、おすすめできる作品ではありません。ただとても有名で名作となっています。
ペスト(La Peste)
主人公:医師ベルナール・リウー
物語の中でペスト(疫病)が街を襲い、行政や経済が混乱する様子が描かれています。市民たちは感染症という「不条理」な状況に直面し、困難な状況に立ち向かう姿が描かれています。コロナ禍に再度注目され人気になった作品。
シジフォスの神話(Le Mythe de Sisyphe)
ギリシア神話の英雄、シーシュポスは神々の怒りに触れ、地獄で岩を山の頂上まで転がす永遠の刑罰を受ける。カミュはシーシュポスを意識に目覚めた男と評し、彼が悲劇的な境遇を知りつつもそれを侮蔑し、運命に勝利する姿勢を称賛しています。不条理な中で幸福を見出すことができると考え、シーシュポスの肯定的な勝利宣言を強調しています。
カリギュラ(Caligula)
主人公:ローマ皇帝カリギュラ
若き皇帝カリギュラは妹の死後に失踪し、三日後に帰還。突如として暴君となり、三年間にわたり悪行を繰り広げる。彼は不条理を求め、臣下たちは我慢の限界に達し、暗殺計画が進行。情婦セゾニアが愛を問うが、カリギュラは拒否し、彼女を殺す。最終的にカリギュラは暗殺されるが、死際に「俺はまだ生きている」と叫び、物語は幕を閉じる。
フランソワーズ・サガン(Françoise Sagan)
1935年6月21日 – 2004年9月24日。フランソワーズ・コワレ(Françoise Quoirez)の本名で知られ、彼女は「Princesse de Sagan」というペンネームを使用しています。このペンネームは、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の登場人物から取られました。
悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)
18歳になるセシルは、父のレエモンと愛人のエルザと共にコート・ダジュールの別荘で夏を楽しんでいました。彼女は大学生のシリルと恋に落ちます。しかし、亡き母の友人であるアンヌが現れ、彼女とレエモンの再婚の可能性が生まれます。アンヌはセシルに対して母性的な態度を見せ、これが原因でセシルは彼女に反感を抱くようになります。セシルはアンヌの再婚を阻止する計画を立て、やがて物語は悲劇的な結末を迎えます。
おまけ
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まとめ
随時追加していきます。おすすめがあれば教えてください。